2026/08/26


【登壇報告】Cloud-Native Geospatial Forum Japan 2026にて発表を行いました

 2026年8月24日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)横浜研究所にて開催された「Cloud-Native Geospatial Forum Japan 2026(CNG Japan 2026)」において、口頭発表を行いました。

当日は「Taming Data Gravity: UAV + STAC for Disaster Response」と題し、能登半島地震での輪島市市街地火災や大分県佐賀関での火災調査を事例に、ドローン(UAV)計測で得られる大容量の空間情報(高解像度オルソ画像、DSM、3D点群データ等)の共有・利活用における「データグラビティ(データの重量化)」の課題とその解決策について発表いたしました。

Cloud Optimized GeoTIFF(COG)やSpatioTemporal Asset Catalog(STAC)といったクラウドネイティブな空間情報技術を活用することで、大規模なGISインフラや専用ソフトウェアに依存することなく、災害対応現場や自治体等の関係機関へ迅速かつ軽量に空間情報を統合・共有する手法と今後の展望を提案いたしました。

本フォーラムを主催・運営いただいたCloud Native Geospatial Global Event関係者の皆様、ならびに会場にて活発なご議論や貴重なご意見をくださった参加者の皆様に心より御礼申し上げます。今回いただいた視点を深め、クラウドネイティブ技術を用いた災害対応と空間情報科学の実装に向けて引き続き尽力してまいります。

2026/05/20


【報道報告】NHKにて佐賀関大規模火災の3Dモデル解析と延焼要因に関する共同調査成果が報道されました

2025年11月に発生した大分市佐賀関の大規模火災から半年が経過いたしました。この火災でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆様、今なお避難生活を送られている皆様に心よりお見舞い申し上げます。

2026年5月18日、NHKニュース(Web記事およびニュース番組)において、東京大学の廣井悠教授、NHKと共同で作成された3Dモデルを用いた、佐賀関大規模火災の延焼解析成果が報道されました。本3Dモデルは、火災発生から約1か月後に現地で実施したドローン(UAV)空撮測量データ等を基に、被災現場を立体的に再現したものです。

今回の3D解析により、激しい延焼域から北側や南側に150メートル以上離れた場所での被害痕跡が鮮明に確認され、強風による広範囲な飛び火が屋根瓦や外壁の隙間に入り込んで延焼を拡大させた実態が示されました。一方で、車が通過できる幅員を持つ道路沿いや、東側の空き地が多く点在するエリアでは、輻射熱の遮断や消防活動の容易化によって建物の被害が抑えられていた様子も可視化されました。

少子高齢化に伴う管理不全な空き家や林野の増加が延焼リスクを高める中、これらの解析結果は今後の火災に強い街づくりや復興計画において非常に重要な知見となります。NHKのウェブサイトでは、3D映像を用いた解説動画や詳細な記事が公開されておりますので、ぜひご覧ください。

2026/03/11


【登壇報告】東京消防庁都市防災研究会部会勉強会にて講演を行いました

 2026年3月10日、東京消防庁本部庁舎にて開催された「都市防災研究会部会 勉強会」にて講演を行いました。

当日は「大規模火災でのドローンによる情報と防災への寄与:空間情報と多層通信の統合による消防対応への貢献を目指して」と題し、大規模火災や広域災害においてドローンを用いて迅速に空間情報を可視化する手法や、極限環境下における多層衛星通信の統合技術について報告いたしました。また、取得データを「共通状況図(COP)」として即時共有し、意思決定や現場指揮を支援する次世代の消防DXに向けた実務的アプローチをご提案いたしました。

講義中のライブ投票や質疑応答セッションでは、通信途絶地域での中継局構築や超小型ドローンによる倒壊家屋内部の3D可視化、サーマルカメラによる飛火・熱源特定といった現場目線のアイデアに加え、緊急用務空域における空域統制や産官学連携による災害対応協定の重要性など、実務に即した多角的な意見交換が行われました。

本勉強会の企画・運営にご尽力いただいた関係者の皆様、ならびに活発なご議論をいただいた参加者の皆様に心より御礼申し上げます。皆様からいただいた貴重なご意見や示唆を今後の研究活動に活かし、消防・防災実務に貢献できるよう引き続き尽力してまいります。

2025/12/29


【お知らせ】大分市佐賀関の大規模市街地火災に関する現地調査速報(日本火災学会)が公開されました

 2025年11月に発生した大分県大分市佐賀関での大規模市街地火災により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被害を受けられた方々の安全と、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます

私が所属する日本火災学会・地震火災専門委員会(主査:北後明彦 神戸大学名誉教授)にて実施いたしました、大分市佐賀関の大規模市街地火災に関する現地調査の速報記事が、日本火災学会のウェブサイトにて公開されました。本調査では12月15日および16日にドローンを用いた上空からの網羅的な調査を行い、従来の地上調査では把握が難しかった上階部分の火害や隣接林野への延焼状況を可視化・解明いたしました。

今回の調査・分析により、強風下における約1.4km離れた離島(鳶島)や市街地内への飛び火現象、ならびに木造密集市街地特有の建物密度や狭小な道路幅といった地域特性が火災拡大に大きく影響したことが確認されました。また、耐火性能の高い建物や道路幅、消火活動、風向といった複数の要因が重なることで延焼が阻止された「焼け止まり」の状況についても整理しております。2024年の能登半島地震・輪島市での調査に続く本取り組みを通じて、大規模火災現場におけるドローン調査の有効性が改めて示されました

詳細な調査結果につきましては、以下の日本火災学会リンクよりご覧いただけます。

日本火災学会 調査速報記事:
https://jafse.smoosy.atlas.jp/ja/firenews20260108

2025/11/16


【発表報告】CSIS DAYS 2025「全国共同利用研究発表大会」にて口頭発表を行いました

2025年11月14日、東京大学柏キャンパスにて開催された空間情報科学研究センター(CSIS)主催の「CSIS DAYS 2025 全国共同利用研究発表大会」において、口頭発表を行いました。

当日は「Lightweight UAV-DSM Approach for Urban Fire Damage Mapping: Wajima 2024」と題し、2024年能登半島地震における輪島市朝市通り周辺の市街地火災を対象とした研究成果を発表いたしました。本研究では、発災前の事前画像データを必要とせず、ドローン(UAV)で取得した電子標高モデル(DSM)のみから建物の標高統計量を算定する指標(DSM-DM)を用いることで、建物ごとの全壊・一部残存などの被害状況を数時間で迅速に判定・可視化する手法を提案いたしました。木造や鉄筋コンクリート造といった構造ごとの被災傾向を高精度に判定できることを確認し、大規模地震火災の初動対応や優先度判断を支援する軽量な空間解析アプローチとしての有効性を提示しました。

本大会を企画・運営いただいた空間情報科学研究センターの皆様、ならびに会場やオンラインにてご参加いただき貴重なご意見やご質問をくださった皆様に心より御礼申し上げます。今回いただいた示唆を今後の研究に活かし、災害対応の現場で真に役立つ空間情報技術の開発を進めてまいります。

研究発表大会の詳細については、以下のリンクよりご覧いただけます。
https://www.csis.u-tokyo.ac.jp/event/csisdays25_notification/

2025/11/10


【発表報告】日本災害情報学会第31回学会大会にて口頭発表を行いました

 2025年11月8日、関西大学高槻ミューズキャンパスにて開催された「日本災害情報学会第31回学会大会」において、口頭発表を行いました。

当日は「令和6年輪島市大規模火災における建物被害推定― 高解像度UAV-DSM空撮測量による試行的適用 ―」と題し、2024年能登半島地震に伴い発生した輪島市大規模火災を対象とした研究成果を発表いたしました。本研究では、発災前の画像データを必要とせず、ドローン(UAV)測量から得られた数値表層モデル(DSM)の高さ差に基づく単一指標(DSM-DM)を活用することで、建物ごとの一次被害状況(全壊・一部残存等)を数時間で迅速に推定・可視化する手法を報告いたしました。木造と耐火構造(RC造・S造)における被害傾向の違いや空間的分布を捉えられることを示し、初動対応や現場巡回計画を支援する実務的な空間情報解析アプローチとしての有用性と課題を提示いたしました。

本大会の企画・運営にご尽力いただいた日本災害情報学会の皆様、ならびに会場にて貴重なご意見やご質問をくださった参加者の皆様に心より御礼申し上げます。いただいた示唆を今後の研究に活かし、災害時における迅速な現場状況の把握と実効性の高い防災情報共有の実現に向けて引き続き邁進してまいります。

大会プログラムの詳細については、以下のリンクよりご覧いただけます。